メルのこと〜メルの病気23〜

メルのこと

十数年まえにディスクをメルに教え始めた時のこと。

投げた物を取って戻ってくると言う動作を教えるのに、こんなに苦労するとは

全く思っていませんでした。

リクはおもちゃが大好きで、自ら持ってきて遊んでアピールをしたり

投げれば取りに行って戻ってきたので、わざわざ教えなくてもレトリーブ的なことは

普通にしていました。(激しくエンドレスで

メルは元々おもちゃで遊ぶことを あまりしなかった子。

投げると喜んで走って追いかけるけど、落ちるとなぜか笑顔で走って戻ってくる、

今思えば多分それがメルの中のおもちゃ遊びだったのかもしれません。





1キロ

11月、メルの月一定期検診に行ってきた。

先月の検診の時に体重が11キロちょいまで落ちてしまっていたので

体重を測る時はドキドキだった。


先月は肉肉しいフードのトッピングもしてたのに、増えるどころか減ってしまって

また悩みのタネができ、再びフード大検索の日々が始まったのだ。

肉肉しく、尚且つタンパク質やリン、ナトリウム、カリウムが腎臓ケア用であること。

それでいて栄養たっぷりで質がいいこと。

そんなんあるんかいな?と、少々疑問に思いながらも悶々と検索の日々。

そして見つけた。

これしかない。



こちらは生肉で冷凍で来る。

一袋500gで小分けトレーになっている。

1パテあたり42gで約150円ほど。

随分前に生食にしていたことがあったが、今のメルには生でそのままは心配なので

半生にしてふやかしたフードに混ぜて食べさせる。

これを一日4食。

少々値が張るフードだが、メルの為ならなんて事ない。

さすが半生にするけど生肉。

食いつき抜群だ。

そしてこのフードを食べさせるようになってから約1ヶ月経ち検診へ。

何と1キロ増えていた。

「おっ!!!メルちゃん1キロ増えてますね〜!!!」と

普段はよく言えばクール、言い方変えれば素っ気ない主治医も

活字にしたら語尾に音符がついていたかのような反応


健康な時でさえワンコにとっては1キロの増減は大きい。

ましてや今のメルの状態なら尚更だ。

この1キロがどんなに嬉しかったことか。


が、、、

喜んだのも束の間、12月に入りまた下痢をしてしまう。

食欲はある、元気に徘徊もしている、水分も摂れている。

”何で???何の下痢???”

次の日朝一番で病院へ。

色々と診てもらったが、どうやら一過性のものだそう。

腎不全を患うと時々このように腸に悪さをするとのこと。

前に急性胃腸炎になった事があったので、緊張して診察を受けたが

整腸剤と下痢止めで事なきを得た。

この日の時点でまた1キロ減ってしまっていた。


この数ヶ月は1キロに狼狽え、1キロに喜んだ。

メルにも、私たちにも、とっても大事な1キロの砦。

そして10キロにも感じる重い1キロ。




移動手段

車で移動する時、今のメルには普通の固いバリケンは使えなくなってしまった。

自由にウロウロしたいので、それを妨げるような狭いスペースでは嫌がる。

抱っこも自由を奪うので無理だ。

なので必ず誰かに一緒に行ってもらって後部座席を倒し、そこにマットを敷き

色々メルガードをして、後部座席にメルと一緒に居てみてもらう。

病院に着くまでの10分〜15分、それでいつも移動している。


ところが先月、どうしても皆んな時間が合わず私が一人で連れて行くことに。

さて困った…。

”どうやって連れて行こう…。”

ただでさえ病院はメルに負担がかかるのに、固い狭いバリケンに入れて行けば

ウォンウォン吠えて興奮する。

そんな状態で連れて行くのだけは避けたい。

”こんな時のために大きめのソフトバリケンを買っておくんだった”

これから何があるか分からない。

【転ばぬ先の杖】を用意しておくべきだった。


散々考えて出した苦肉の策。

後部座席を全部倒し、使わなくなった高反発の人用のマットを敷きつめ

あちこちメルガードをして、そこにメル。

運転席に来れないように、そこにもメルガード。

もし移動中にウロウロし始めて危ないようだったら、その都度車を止めて

様子を見ながら移動…これしかない。

ところがこれが思いの外大人しくしていて、一度も車を止めることなく病院まで往復できた。

何だかゆったりと落ち着いていて、ウロウロすることもなく窓の外を眺めたりウトウトしたりと

往復で20分程の時間だったがリラックスしてくれていた。

これには助かったが、私はいつもの数倍は疲れたのでソフトバリケンは買っておこうと思った。







健康でいなければ!!

この11月の終わりに、とうとうコロナに感染してしまった。

我が家の中で一番感染してはいけない私。

メルのこともあるし、近くに住んでいる年老いた両親のこともある。

マスクはもちろんのこと、どこに行ってもすぐ手を消毒。

車に戻ればすぐ消毒、家に帰ればすぐ手洗い。

私なりに気をつけていたつもりだった。

が、しかし、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

旦那が感染。

さすがに家庭内感染は防げなかった。

喉の痛み、咳、発熱、倦怠感、頭痛、これらの症状も辛いものがあったが、

何よりもメルのお世話を、いつものようにしてやれないのが一番辛かった。

「ちょっとメルのこと見ててね」と娘たちにも誰にもお願いが出来ない憎きコロナ。

こんな時にもし万が一メルに何かあったら…。

もし親に何かあったら…。

そう思うと不安やら切ないやらで久々に夜な夜な一人、

せっせと徘徊するメルを見守りながらシクシクと泣いてしまった。

普段寝込むことのない私が寝込んでいることで、メルとソラには不安な思いをさせてしまった。



こうやって寝込むとつくづく思うのは、多少寝不足だろうが介護で疲れていようが

健康でいなければ!!!と言うこと。

健康であれば、とりあえず何でも出来る。

”やろう”

”やってあげよう”

そう思った事が何でも出来るのだ。


「元気があれば何でも出来る!!!」

アントニオ猪木さんは素晴らしい名言を残してくれた。




Every Day is Special.

もう12月も半分過ぎてしまった。

メルは12月31日で16歳になる。

でもいつも思うのは、特にシニアになってからは誕生日は特別ではない。

毎日が特別なのだ。

一緒に過ごす、そばにいれる、お世話が出来る

こんな特別な毎日を大切にしていきたいと思う。






24に続く















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